永樂錢えいらくせん)” の例文
危機きき一髮のところへ、平次得意の投げ錢が飛びました。二の腕の關節くわんせつ永樂錢えいらくせんに打たれて、思はず匕首あひくちを取落したところへ、飛込んだ平次。
永樂錢えいらくせんや文錢では埒があかぬと見たか、取つて置きの小判が一枚、二枚、——夜の水の上にひらめきます。
舌打を一つ、たもとから取出したのは、その頃通用した永樂錢えいらくせんが一枚です。手の平へせて中指の爪と親指の腹ではじくと、チン——と鳴つて、二三尺空中に飛上がります。
今しがた剩錢つりせんにとつた永樂錢えいらくせんが一枚、右手の食指と拇指ぼしの間に立てゝ、ろくに狙ひも定めずピユウと投げると、手練は恐ろしいもので、身を投げようとする男の横鬢よこびんをハツと打ちます。