水瓶みづかめ)” の例文
火を吹きおこしたり、水瓶みづかめを洗つたりしてゐるうち広樹は急に気分が悪くなつたといつて横になつた。
バグダツドの市場いちばの噴きの上には大きい無花果いちぢくが葉を拡げてゐます。その噴き井の右ゐるのはハアヂと名乗つた先刻の商人、左にゐるのは水瓶みづかめをさげた、美しい一人ひとりの娘です。
三つの指環 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
床下から天井裏から、水瓶みづかめの中までも覗いて、一刻ばかり後には
竹田は水瓶みづかめを引張り寄せて一口飲んで広樹にさした。病人は鶴が水を飲むやうな口つきをして美味うまさうに一口に飲みほした。そして今一度といつて竹田にさした。竹田はまた飲んだ。