気難きむず)” の例文
とかくに気難きむずかしくて機嫌の取りにくかったのは、家人からでさえ余り喜ばれなかったのを以てもその人となりを知るべきである。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
一と口にいえば二葉亭は家庭の主人公としては人情もあり思遣おもいやりも深かったが、同時に我儘わがまま気難きむずかし屋であった。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
更にその内容を検すると、馬琴が日常の極めて些細な問題にまで、いちいち重箱の隅をホジクルような小理窟を列べてこだわる気難きむずかし屋であるに驚く。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
取出でていうほどの奇はないが、二葉亭の一生を貫徹した潔癖、俗にいう気難きむずかし屋の気象と天才はだの「シャイ」、俗にいう羞恥はにかみ屋の面影おもかげ児供こどもの時からほの見えておる。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)