毀誉褒貶きよはうへん)” の例文
彼の秘書官の如く働くので、社員中に大分不平嫉妬しつとの声がさかんなのです、けれど一身の毀誉褒貶きよはうへんごときは度外にきて
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
紛々ふんぷんたる毀誉褒貶きよはうへん庸愚ようぐの才が自讃の如きも、一犬の虚に吠ゆる処、万犬また実を伝へて、かならずしもピロンが所謂いはゆる、前人未発の業とべからず。寿陵余子じゆりようよし生れてこの季世にあり。ピロンたるもまた難いかな。
毀誉褒貶きよはうへんの極めて多きは其人の尋常ならざるを証する者也。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
貴嬢は今ま始めてすべての束縛そくばくから逃れて、全く自由を得なすつたのです、親の権力からも、世間の毀誉褒貶きよはうへんからも、又た神の慈愛からさへも自由になられたのである
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)