“残刻”の読み方と例文
読み方割合
ざんこく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白馬どぶろくとは違いますよ、ハハハハハハ』と、自分はふと口をすべらした。何たる残刻ざんこく無情の一語ぞ、自分は今もってこの一語を悔いている。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
余り残刻ざんこくなのに驚いて、また最初から出直そうとして、少し痛くなり掛けたあごを持ち上げると、障子しょうじが、すうといて、御手紙ですと下女が封書を置いて行く。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
だから忠利の心では、この人々を子息光尚みつひさの保護のために残しておきたいことは山々であった。またこの人々を自分と一しょに死なせるのが残刻ざんこくだとは十分感じていた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)