殉職じゅんしょく)” の例文
が、縁者の一個ひとり殉職じゅんしょくなどは取るに足りません。憂うるところは、これが天下に及ぼす騒乱のちょをなしては一大事と存ずるのです。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光吉こうきちの父親は鉄道の駅員えきいんだったが、五年まえに事故じこのために殉職じゅんしょくした。その後、母は、女手おんなでひとつで光吉こうきちをいままでそだててきたのだった。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
殉職じゅんしょくという名目は成り立たず、会社からはわずかな見舞金しか貰えなかった。それに夫の芳三というのが、ふだんから会社側の気受けがよくなかったのである。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
殉職じゅんしょくをしてしまうわけだが、こんな危険な役目をひきうけ、しかも人間わざでは到底とうてい出来ない正確さで、報告をするところなどは、人造人間でなければ、どうしたってできる真似ではない。
人造物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)