歳々としどし)” の例文
黄ばみ戰くはどこへ行くのだらう。言ふまでも無く、それは自然が歳々としどしの復活を營むあの大實驗室へ行くのだ。
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
ぬる元亨げんこうの年、それがし、都へ出でたるには、相違ござりませねど、そは、前年の十一月、歳々としどしの恒例にて、領下の御厨みくりや貢物みつぎ、伊勢神宮に運上したてまつるお使いにてまいった帰りを
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宮は貫一が事を忘れざるとともに、又長く熱海の悲き別を忘るるあたはざるなり。更に見よ。歳々としどし廻来めぐりくる一月十七日なる日は、その悲き別を忘れざる胸にやきがねして、彼の悔を新にするにあらずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)