橋袂はしだもと)” の例文
橋袂はしだもとから広い新道路が東南に向って走っているのを見たが、乗合自動車はその方へは曲らず、堤を下りて迂曲する狭い道を取った。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そこで欄干にもたれかかって煙草たばこを——つい橋袂はしだもとに酒場もあるのに、この殊勝な心掛をはね散らして、自動車が続けさまに、駆通る。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その外の見世物では、東両国の橋袂はしだもとには「蛇使」か「ヤレ突けそれ突け」があった。「蛇使」というのは蛇を首へ巻いたり、腕へ巻いたりするのです。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)
橋袂はしだもとからゴソゴソと四つン這いに寄ってきて、半次、しばらく息を殺しながら、ジイと地面をすかしてみると、そこにあごをはずした提灯の落ちているのは見えたが、弦之丞の姿は見当らない。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
橋袂はしだもと堤芽柳どてめやなぎの糸が、ゆるい流れに届くほど垂れている。
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)