橋架はしげた)” の例文
今までのは橋の下より少しづつ下流に向つた方でしたが、四さう目の船は橋架はしげたの下を潜つて、川上の方にあつたことは、何にかの暗示になりさうです。
それからまた何んといふこと無く川面かはづらを覗込むだ。流は橋架はしげたに激して素絹のまつはツたやうに泡立ツてゐる。其處にも日光が射して薄ツすりと金色こんじきの光がちらついてゐた。清冽せいれつな流であツた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「不景氣な年寄だが、橋架はしげたの間から、矢を飛ばした手際は大したものだ。見知り人はないか、訊いて見てくれ」
「おや、平次か、丁度宜いところだ。昨夜ゆうべから搜してゐたが、橋架はしげたの下から、この通り、半弓を見付けたよ」
「その時、死骸が橋架はしげたか水除けか何かに引っ掛らなかったのか」
「その時、死骸が橋架はしげたか水除か何かに引つ掛らなかつたのか」
翌る日、お富の死骸は兩國の橋架はしげたの下に浮びました。
「切つた傷は一つもないよ——突き落されるまで、默つてゐるお由良ぢやあるまいから、よつ程力のある奴が、橋の上から足でもさらつて、一と思ひに投り込んだんだらう。首筋の打撲傷うちみはその時橋架はしげたへでも打つ付けたのかも知れない」
「切った傷は一つもないよ——突き落されるまで、黙っているお由良じゃあるまいから、よっぽど力のある奴が、橋の上から足でもさらって、一と思いにほうり込んだんだろう。首筋の打撲傷うちみはその時橋架はしげたへでも打っ付けたのかも知れない」