“梔”の読み方と例文
読み方割合
くちなし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
回回フイフイ教の寺院で白衣びやくいの尼の列を珍しがり、共同墓地にはひつて大理石の墓の多いのに驚き、其処そこでバクレツと云ふくちなしの様な花のにほひの高いのを嗅ぎ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
宗右衛門もふと奥庭の奥深くへ眼をやつた。白無垢しろむくのお小夜とお里が、今、花のまばらなくちなしの陰から出てつはぶきに取り囲まれた筑波井つくばいの側に立ち現はれたところである。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
奥庭の小径こみちの奥筑波井つくばいの向うのくちなしすき、低い風流な離れ家のむね。それが何度一日に彼の目につくことであらう。結局彼はいつとはなしに娘達と遠ざかつて行つてしまつた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)