げた)” の例文
近くの紀伊の国橋のはしげたを鳴らして、重い荷を積んだ大八車の通り過ぎて行く音が、どうかするとかみなりのように大きく長く、つづいていた。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
舟は両国の中程の橋げたに引っ掛けて居たが、本人は土左衛門になって、百本ぐいで見付かった
源六の体は俵のようなぶざまな転げ方をして、向うの橋げたで止まりました。お蝶は欄干へ背中をもたせかけて、くずれた髪の毛を指先でき上げ、耳に垂れた紅白の根掛けを抜いて捨てました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つづいて与吉も、橋げたの下へもぐりこんでみると、そこに、浮き世をよその蒲鉾かまぼこ建ての乞食小屋。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
自分の家の潮入の池から笹舟さゝぶねのやうな小さい釣舟をぎ出し、隅田川の眞ん中で引つくり返して、舟は兩國の中程の橋げたに引つ掛けて居たが、本人は土左衞門になつて、百本ぐひで見付かつた