柔順じゅうじゅん)” の例文
右のほおを打つ者あらば左をもたたかせよというがごとき、柔順じゅうじゅん温和おんわの道を説き、道徳上の理想としてこれが一般社会に説かれたのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
機械人形のように、柔順じゅうじゅんになったのだ。奴隷どれい化したのだ。だから、本質との衝突が発生したものであろう。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
ヴィクンヤは一同がかわるがわる二つの仔をだいてやったので、柔順じゅうじゅんについてきた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
無口むくちのほうで、伊那丸いなまるにたいしては柔順じゅうじゅんであり、友情にもろい男であり、小事しょうじにこだわらず、その、鉄杖てつじょう殺風さっぷうぶことも滅多めったにしない男であるが、いったん、そのまなじりをべにいたときには
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
女々めめしいとか、意気地いくじなしにもれるが、僕のここに用いた女らしいというは善意にいたので、温和おんわ柔順じゅうじゅんの意味である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)