爾時そのときは、まぶたはなして、はらりと口元くちもと半帕はんけちおほうてた、某子爵夫人ぼうしゝやくふじんうなづくやうにき/\、きよらかな半帕はんけちしごくにつれて、真白まつしろきぬの、それにもかげすやうにえた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)