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枝珊瑚
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えださんご
侍女三、四、両人して白き
枝珊瑚の椅子を捧げ、床の
端近に据う。大
隋円形の白き
琅玕の、沈みたる光沢を帯べる
卓子、上段の中央にあり。
どうも、お気の毒でございますが、
枝珊瑚というやつは、珠にも粒にもならない
屑で、白ぼけや虫くいなどを
そこで額を
窓硝子に着けるように、中に並べた指環だの、帯留だの
枝珊瑚の置物だのを
眺め始めた。
公子、椅子の位置を
卓子に正しく直して掛けて、姿見の
傍にあり。向って右の
上座。左の
方に赤き
枝珊瑚の椅子、人なくしてただ据えらる。その椅子を
斜に
下りて、沖の僧都、この度は腰掛けてあり。