枝珊瑚えださんご)” の例文
侍女三、四、両人して白き枝珊瑚えださんごの椅子を捧げ、床の端近はしぢかに据う。大隋円形だえんけいの白き琅玕ろうかんの、沈みたる光沢を帯べる卓子テエブル、上段の中央にあり。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうも、お気の毒でございますが、枝珊瑚えださんごというやつは、珠にも粒にもならないくずで、白ぼけや虫くいなどを
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで額を窓硝子まどガラスに着けるように、中に並べた指環だの、帯留だの枝珊瑚えださんごの置物だのをながめ始めた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
音せぬ枝珊瑚えださんごの光を引きて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
公子、椅子の位置を卓子テエブルに正しく直して掛けて、姿見のかたわらにあり。向って右の上座かみざ。左のかたに赤き枝珊瑚えださんごの椅子、人なくしてただ据えらる。その椅子をななめさがりて、沖の僧都、この度は腰掛けてあり。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)