板輿いたごし)” の例文
かつての月卿雲客げっけいうんかくも、人違いするばかりなやつれ方やらごろものまま、怪しげな竹籠たけかご伝馬てんま板輿いたごしなどで、七条を東へ、河原のぼりに入洛じゅらくして来た。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
築土の外には、数名の人影が、そまつな板輿いたごし、はだか馬などを寄せて、待っていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、三名の妃には、貧しげな板輿いたごしが与えられ、侍者二人は、馬の背だった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、いい渡されて、獄から板輿いたごしへ移されたさいも
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)