“東洋人（とうようじん）” の例文
そのＳＨ氏（し）がしばらくすると、立（た）つて彼方（あなた）の卓（たく）の前（まえ）に立（た）つて、和服姿（わふくすがた）の東洋人（とうようじん）らしい憂鬱（ゆううつ）な恥（はじ）らひの表情（へうぜう）で、自作（じさく）の詩（し）を謳（うた）ひだした。皆（みな）が之（こ）れに耳（みゝ）傾（かたむ）けた。
微笑の渦 (新字旧仮名) ／ 徳田秋声(著)
治明博士（はるあきはかせ）の方は誰が見でも中年の東洋人（とうようじん）であるのに対し、ロザレの肉体を借用している隆夫の方は、青い目玉がひどく落ちこみ、鼻は高くて山の背のように見え、その下にすぐ唇があって
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)