材木町ざいもくちょう)” の例文
おめきながら左膳は、こけ猿の箱包みをかかえ、チョビ安を従えて、この材木町ざいもくちょうの通りを駒形のほうへと、すがりつく黒影を白刃に払いつつ、行く。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
山男、西根山にしねやまにて紫紺のり、夕景ゆうけいいたりて、ひそかに御城下ごじょうか盛岡もりおか)へ立ちそうろううえ材木町ざいもくちょう生薬商人きぐすりしょうにん近江屋源八おうみやげんぱち一俵いっぴょう二十五もんにて売りそうろう
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
八月の十七日には、浅草の材木町ざいもくちょうの名主石田郷左衛門の末っ子で、お芳という十七になる美しい娘。
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この「子を取ろ子とろ」が、この深夜、材木町ざいもくちょうとおりに斬りむすぶ剣林のなかに、始まった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ともにこの材木町ざいもくちょうの通りを、いま、ここまで落ちのびて来たのだけれど。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)