木蘭もくれん)” の例文
庭にはまきかやあいだに、木蘭もくれんが花を開いている。木蘭はなぜか日の当る南へ折角せっかくの花を向けないらしい。が、辛夷こぶしは似ている癖に、きっと南へ花を向けている。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
懐古園内の藤、木蘭もくれん躑躅つつじ牡丹ぼたんなぞは一時花と花とが映り合って盛んな香気を発したが、今では最早濃い新緑の香に変って了った。千曲川は天主台の上まで登らなければ見られない。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
木蘭もくれんの花立ちひらく春日すらひめもすや人のたま磨きする
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
木蘭もくれんの花立ちひらく春日すらひめもすや人のたま磨きする
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
木蘭もくれんは花の立枝たちえの影濃くておもてにほへりいちじろき照り
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
木蘭もくれんは花の立枝たちえの影濃くておもてにほへりいちじろき照り
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
木蘭もくれんの濃き影見れば良夜あたらよや月のひかりは庭にあかりぬ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
木蘭もくれんの濃き影見れば良夜あたらよや月のひかりは庭にあかりぬ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
木蘭もくれんは寺の日向にあかるくて木ぶりかそけき紫のはな
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)