木深こぶか)” の例文
近江、美濃を過ぎて、幾日かの後には、信濃の守の一行はだんだん木深こぶかい信濃路へはいって往った。
姨捨 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
けれども自分を京都の下加茂あたりに住んで居る気分にさせるのは、それは隣の木深こぶかい庭で、二十本に余るマロニエの木の梢の高低たかひくが底の知れない深い海の様にも見える。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
其処此処そこここ紅葉もみぢの旗を隠したる木深こぶかき森の秋のたはぶれ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)