朝詣あさまいり)” の例文
あの人たちは朝は遅いかのように聞きましたのに、きっと牛の御前に朝詣あさまいりをするのでしょう。私を見かけると、大きな手を広げて通せん坊をします。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
鉄道馬車は今よりとどろめて、朝詣あさまいりの美人を乗せたる人力車が斜めに線路を横ぎるも危うく、きたる小鰺こあじうる魚商さかなや盤台はんだいおもげに威勢よく走り来れば
銀座の朝 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
これは明治前でしたが、当時の両国橋の繁華といったら、大したもので、弁天の開帳の時などは、万燈まんとうおびただしく出て、朝詣あさまいりの有様ったらありませんでしたよ。
江戸か東京か (新字新仮名) / 淡島寒月(著)