朝炊あさげ)” の例文
春靄はるもやが次第に晴れるに連れてすくすくと現われる山や丘の山懐やまふところや中腹から青い煙りの立ち上るのは朝炊あさげの煙りに相違ない。朝炊の煙りの立つからにはそこにも部落はあるのであろう。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
香取の方の丘の上には、朝炊あさげの煙の静かに颺つてゐるのが指さゝれた。
船路 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
其処そこに泊つて居る船も五六艘はあつた。朝炊あさげけぶりが紫に細くあがつた。
(新字旧仮名) / 田山花袋(著)