朝寐あさね)” の例文
そう言ってから八戒は、自分がこの世で楽しいと思う事柄を一つ一つ数え立てた。夏の木蔭こかげの午睡。渓流の水浴。月夜の吹笛すいてき。春暁の朝寐あさね。冬夜の炉辺歓談。
たんと朝寐あさねを遊ばしてもかねは聞えず、とりも鳴きません、犬だっておりませんからお心安こころやすうござんしょう。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
味噌漉みそこしを提げて買物けいものにもかれめえ、おらうちへ来ても女中でも一緒に附いて来て朝寐あさねをして、おひきずりで銀の股引を穿いた箸をチャラ/\云わして飯を食って居ちゃア、飯が食えねえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
花を蹈みし草履も見えて朝寐あさねかな
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)