月輪関白つきのわかんぱく)” の例文
そういった了見かたで是非ともおれは上品上生の往生をしなければおかぬ、というのが専ら評判になり、月輪関白つきのわかんぱくなども、わざわざそのことを法然に尋ねている。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
崖の下は月輪川で、谷の奥所おくが月輪関白つきのわかんぱく兼実かねざねの墓があるという。墓といえば、ついそこの眉にせまる阿弥陀あみだみねの下あたりは墓や御陵ごりょうだらけだった。鳥部野が近いのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せんかんと泉声せんせいが聞えて、床をふむ足の裏が冷々ひえびえとする。僧正とは、天台六十二世の座主ざす慈円和尚じえんおしょうのことである。月輪関白つきのわかんぱく御子みこであり、また連枝れんしであった。すけは、廊下の端に坐る。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ここは、月輪関白つきのわかんぱくどのの別荘ではないか」と足をとめて見まわしていると
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月輪関白つきのわかんぱく様じゃ」と教えた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)