替地かえち)” の例文
すると丁度その辺は去年の十月火災にかかった堺町さかいちょう葺屋町ふきやちょう替地かえちになった処とて、ここに新しい芝居町しばいまちは早くも七分通しちぶどおり普請を終えた有様である。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
『——吉良様がお替地かえちになった。呉服橋のお邸を引き払って、八月二十日迄に、本所の松坂町へお引越をせねばならぬのじゃ。どうしても、その折には、警固けいごが要る』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この檜原の宿しゅくとても、土地の人から聞くと、つい昨年までは、その眼の前に見える湖の下にあったものが、当時、上から替地かえちを、元の山宿やましゅくであった絶項の峠の上にあたる、この地に貰って
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
「渡すな。たって、開け渡せというなら、適当な替地かえちを先によこすべきだ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『吉良の邸がの、お替地かえちを命じられたが、知っておるか』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)