曾孫ひいまご)” の例文
新字:曽孫
何処どことなく荒れて、留守の間のふしだらが思われ焦々いらいらはしたが、夏だったら、孫や曾孫ひいまごどもが群れ集まって邸中を荒らし回わっていように、もう、秋もなかばで
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
子から孫の代を見て、曾孫ひいまごまであるこのおばあさんは、深窓に人となった自分の娘時分のことをそこへ持ち出して見せた。ことに、その「箪笥」には力を入れて。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
このエルモライ・ロパーヒンが桜の園におのをくらわせるんだ、木がばたばた地面へ倒れるんだ! どしどしここへ別荘を建てて、うちの孫や曾孫ひいまごのやつらに、新しい生活を拝ませてやるぞ。
桜の園 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
オリオンの乳母おんばさんがお前さんの曾孫ひいまごでしょう。
この老祖母の死は、今更のように名倉なくらの大きな家族のことを思わせた。別にかまどを持った孫娘だけでも二人ある。まだ修業中の孫から、多勢の曾孫ひいまごを加えたら、余程の人数に成る。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)