書估しょこ)” の例文
わたくしはわかい時から多読の癖があって、随分多く書を買う。わたくしの俸銭の大部分は内地の書肆しょしと、ベルリン、パリイの書估しょことの手にってしまう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
昭和二年九月書肆しょし改造社かいぞうしゃの『現代日本文学全集』第廿二篇を編輯するや『雨瀟瀟』の一篇またその巻首に採録せられぬ。このたび書估しょこ野田氏のだしまたこの一小篇を取りて刊行せむとす。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その書は随時世人せいじんを啓発した功はあるにしても、おおむね時尚じしょうを追う書估しょこ誅求ちゅうきゅうに応じて筆を走らせたものである。保さんの精力は徒費せられたといわざることを得ない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)