ぬる)” の例文
いきれにいきれて、なまぐさく、ぬるくプンと臭って来る。おはぐろのともつれ合って、何とも言えない。……それで吐き戻したものがあった。——
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
北輝雄は未だ夏期なつぬるみの去らない光明を頭からいつぱい浴びながら、無細工な大きな卓机にもたれかゝつていゝ気持でうつとりしてゐた。やうやく三十分前ばかりに眼を醒ましたところだつた。
二人の男 (新字旧仮名) / 島田清次郎(著)