暁星ぎょうせい)” の例文
旧字:曉星
田舎いなかものの庸三はいつかそこで、人を新橋駅に見送った帰りに、妻や子供や親類の暁星ぎょうせいの先生などと一緒に、白と桃色のシャベットを食べて
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
はじめ暁星ぎょうせい学校の教科書を読むのも辛かったが、一年程通っているうちに、ふいと楽に読めるようになった。そこで教師のベルタンさんに頼んで、巴里パリイの書店に紹介して貰った。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一 小説かかんと思はば何がさて置き一日も早く仏蘭西フランス語を学びたまへ。但し手ほどきは日本人についてなす事禁物きんもつなり。暁星ぎょうせい学校の夜学にでも行きその国人についてなすべし。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
富士見町ふじみちょうの裁判所の横手の、今は暁星ぎょうせい中学校の構内に囲込かこいこまれた処に住んでいたから、中坂というは少し無理だが、馬琴がしばしば飯台蓑笠漁隠さりゅうぎょいんと称した如くに飯台をいただく因縁は持っていたのだ。
「未だ裏の方に相応見るものがあったんだよ。そら、坊ちゃんもお嬢さんも御覧なさい。あの山の上のは海星学校かいせいがっこうといって東京の暁星ぎょうせいと同じような西洋人の学校です。あの辺から海岸までが一帯に居留地です」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
新聞記者をやめたる後は再びもとの如く歌舞伎座の楽屋にらん事をこいねがひしかど敬してとおざけらるるが如くなりしかばここに意を決し志を改めて仏蘭西フランス語稽古にと暁星ぎょうせい学校の夜学に通ひ始めぬ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)