晩飯ばん)” の例文
遅い午餉ひるだったから、もう二時下り。亭主の出たあと、女房はぜんの上で温茶ぬるちゃを含んで、干ものの残りに皿をかぶせ、余った煮豆にふたをして、あと片附は晩飯ばんと一所。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
口早に、あらかじめちかった晩飯ばんの場所と、火事は我が家、我が家には直面しない事と、久しぶりなる故郷の山に、心しずかに一人したしむこととを言置いたのは言うまでもない。
も、晩飯ばんたのしみにしてたのであるから。……わたしじつは、すきばら餘程よほどこたへた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
晩飯ばんはいい加減で膳を下げた。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)