日晷ひかげ)” の例文
多方おおかたもう十兵衛が来そうなものと何事もせず待ちかくるに、時はむなしく経過たって障子の日晷ひかげ一尺動けどなお見えず、二尺も移れどなお見えず。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
一方にこうした日晷ひかげを追う風の、早く埋没したおもかげを、ほのかながうかがわせているというものである。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
時は空しく経過たつて障子の日晷ひかげ一尺動けど尚見えず、二尺も移れど尚見えず。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)