ばん)” の例文
忠義堂の前には四ながれのばんがつるされ、堂上には三層の星辰台がみえ、三聖の神像をなかに、二十八宿しゅく、十二宮しん星官ほしがみたちの像も二列にならんでまつられている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戞々かつかつと、石を蹴り、木の根を踏む馬蹄の音が、はや耳を打って来たかと思うと、馬印、ばん、旗さし物など、治部大輔じぶのたゆう今川義元の本軍は、見るまに、田楽狭間でんがくはざまの芝山と低地を
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青葉若葉の木がくれに、紅白ののぼりだの、唐錦からにしきばんだの、榊葉さかきばをくくりつけた馬出うまだしの竿さおだの、人間で埋められた入口も見えはじめた。家成の古車は、そのときもう無数の他の牛車に押しもまれていた。