於通おつう)” の例文
「わたくしは、二の丸に、つい先頃から、おすえ奉公をいたしております、於通おつうと申すものでございまする。夜ぶんあがりまして」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やはり美濃みのの内で、これから東へ、八里ほどの在所、北方郷きたかたごうの小野の里で、小野政秀おのまさひでともうすのが、於通おつうの父親でございました。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉は、毛せんの上にひろげてあった一葉の花鳥画をのぞきこみ、於通おつうの筆と知ると、手ずから、くるくると巻いて持った。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、そのとき初めて、三蔵は、うす暗い窓際に、ひじをもたせてこっちを見ていた於通おつうの姿に気がついたらしく
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小牧こまきの帰りには、また、於通おつうとかいう、氏素姓もさだかでない一少女を、しかも流浪児みたいなのを、戦場から拾って帰り、これも二の丸か、三の丸におこうとしたので
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
乳母のおさわに育てられ、小野の於通おつうとよばれております。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)