文珠もんじゅ)” の例文
人目は?——彼等の前後には観覧人かんらんにんが三四人、今も普賢ふげん文珠もんじゅの前にそっと立ち止まったり歩いたりしていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ひたいも、目も、眉も、そのいずれも莞爾莞爾にこにことして、文珠もんじゅ微笑ほほえんでまします。第一獅子が笑う、獅子が。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
となって、三人寄れば文珠もんじゅの智恵、伴大次郎、江上佐助、有森利七の三人が、あたまをあつめて考えた末。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
またそのった手の響きは、三千大千世界の悪魔の胆をこの文珠もんじゅ智慧ちえの一声で驚破きょうはする程の勢いを示さなければならんと、その問答の教師は常々弟子達に対して教えて居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「何をッ、宮津文珠もんじゅの荒侍、汝ら一人を討ち取れずに何とする」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)