文櫃ふみびつ)” の例文
ようやくに気をとり直してお文倉ふみぐらに入ってみますと、さしもうず高く積まれてありましたお文櫃ふみびつは、いずくへ持ち去ったものやら
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
そこへ法然が訪ねて行って、自分の所存を述べて見ると、律師は総て物を云わないで聴いていたが、やがて内に立ち入って、文櫃ふみびつ十余合を取り出して法然の前に置き
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
やうやくに気をとり直してお文倉ふみぐらに入つてみますと、さしもうづ高く積まれてありましたお文櫃ふみびつは、いづくへ持ち去つたものやら
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
残りました手の者たちとわたくしは、百余合のお文櫃ふみびつの納めてあります北の山ぎわの経蔵のほとりにたたずんで、成行きをじっとうかがっております。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
残りました手の者たちとわたくしは、百余合のお文櫃ふみびつの納めてあります北の山ぎはの経蔵のほとりにたたずんで、成行きをじつとうかがつてをります。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
そこここに散乱したお文櫃ふみびつの中から、白蛇のようにうねり出ている経巻きょうかんたぐいも見えます。それもやがて吹き巻く風にちぎられて、行方も知らずねずみ色の中空へ立ち昇って参ります。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
そこここに散乱したお文櫃ふみびつの中から、白蛇のやうにうねり出てゐる経巻きょうかんたぐひも見えます。それもやがて吹き巻く風にちぎられて、行方も知らずねずみ色の中空へ立ち昇つて参ります。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)