“摺退(すりの)” の例文
お聞き……そうすると……壁腰、——幹事の沢岡が気にして摺退(すりの)いたという、敷居外の柱の根の処で
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
引返して行(ゆ)く女中のあとへついて、出しなに、真中(まんなか)の襖(ふすま)を閉める、と降積(ふりつも)る雪の夜(よ)は、一重(ひとえ)の隔(へだて)も音が沈んで、酒の座は摺退(すりの)いたように、ずッと遠くなる……風の寒い、冷い縁側を、するする通って
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)