揷話そうわ)” の例文
この揷話そうわは、哀憐の重みにたえずに狂気してゆく彼の姿をよく物語るものであろう。彼はふたたび精神病院の門をくぐり、その後一年あまりを叔父おじの田荘に病を養った。
また本書の性質よりして、吾人が示すところのものはただ、一八三二年六月五日および六日の両日の、確かに世に知らるること最も少ない一方面のみであり一揷話そうわのみであろう。
その昔の小さな家を偶然見ることになった一つの揷話そうわ此処ここに付け加えておきたい。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
が、この興行の評判に連れて、京童きょうわらべの口にこうした揷話そうわが伝えられた。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)