揷入そうにゅう)” の例文
検温器を患者のわき揷入そうにゅうしたりして、失望したり、れったがったりしたが、外へ出ない時も、お銀にばかりまかせておけなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しかしていよいよった時には平然として何のこともなく、草稿にない戯談じょうだんなども臨時に揷入そうにゅうし、幸いに案外の喝采かっさいをうけた。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
小生は力の及ぶ限りその詩を完全なるものたらしめ、なおまた、戯曲の初めに揷入そうにゅうして舞台に上する前、あらかじめ貴下のもとへ御送り申すべく候。
あの間隔をもっとつめるか、それとも、もっと「あわただしさ」を表象するような他のカットの揷入そうにゅうで置換したらあの大切なクライマックスがぐっと引き立って来はしないかと思われる。
映画雑感(Ⅲ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この第二の方の言葉は、現代使われてるような広大な意味でではなかった。そして彼は炉辺のちょっとした風刺のうちに独特な仕方でそれを揷入そうにゅうしていた。彼は言った。