揮毫きがう)” の例文
「先生、突然で恐縮ですが、來年の文章日記へ、ひとつご揮毫きがうをお願ひしたいんですが、どうかげてひとつ……」
足相撲 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
東京の絵画商人のなにがしが、京都で展覧会を開くために、今尾景年氏のとこへ、半切はんせつ揮毫きがうを頼みに出掛けた。たかが半切だと聞いて、画家は会はうともしない。
先日こなひだ横山大観氏が席上せきじやう揮毫きがうで、画絹ゑきぬ書損かきそこなひをどつさりこしらへて、神戸の富豪ものもちの胆を潰させた事を書いたが、人間の胆といふものは、大地震おほぢしん大海嘯おほつなみの前には平気でゐて、かへつて女の一寸したくさみ