手事てごと)” の例文
それ緡蛮めんばんたる黄鳥は丘隅きゅうぐうに止るとと云う文句で始まっているこの曲はけだし春琴の代表作で彼女が心魂しんこんかたむつくしたものであろう詞は短いが非常に複雑な手事てごとが附いている春琴は天鼓の啼く音を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ある晩のこと茶音頭の手事てごとを稽古していると佐助のみが悪くてなかなか覚えない幾度いくどやっても間違えるのに業をやして例のごとく自分は三味線を下に置き、やあチリチリガン、チリチリガン
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)