“戕(そこな)” の例文
或は傷つき或は戕(そこな)はれるであらう。けれども俺の心霊は何ものゝ暴力に抗ひても。安らかに平和に宏大に活きて居ることが出来る。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
或は必然の結果ではなかったか? 然らば高尚な純正な文学でも、こればかりに溺れては人の子も戕(そこな)われる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
魚は水あればすなわち活(い)き、水涸(か)るればすなわち死す。燈(ともしび)は膏(あぶら)あればすなわち明(めい)、膏(あぶら)尽くればすなわち滅(めっ)す。人は真精(しんせい)なり、これを保(たも)てばすなわち寿(じゅ)、これを戕(そこな)えばすなわち夭(よう)す。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
高原も山と同じく能(あた)う限りは戕(そこな)われずに原始のままであらせたい。美ヶ原は私の最も好きな高原の一であるが、目障りになる柵や見窄(みすぼ)らしい番小屋などの建てられないのがせめてもの慰めである。
高原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)