憤々ふんぷん)” の例文
たまり兼ねて起出した樣子、——火打鐵ひうちがねの音や、荒々しい足音にも、憤々ふんぷんたる怒りはよく判ります。プーンと匂ふ、硫黄附木いわうつけぎの匂ひ。
と、負けず嫌いに、つばをはきちらして、なお憤々ふんぷんと云いやまなかった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たまり兼ねて起出した様子、——火打鉄ひうちがねの音や、荒々しい足音にも、憤々ふんぷんたる怒りはよく判ります。プーンと匂う、硫黄いおう付け木の匂い。
郭図かくと審配しんぱいの二大将は、憤々ふんぷんと、袁紹の前に告げていた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
憤々ふんぷんとして当り散らしている蔀半四郎に訊ねるわけにも行かず、平次はそのまま出雲屋を引揚げる外に工夫もなかったのです。
金五郎の怒りは、憤々ふんぷんとして、どこへでもほのおを挙げます。
佐吉は憤々ふんぷんとして作松の物悲しい顔を指すのです。