悪血あくち)” の例文
気持のいいことでございましょう、このごろは悪血あくちが肩へってどもならん、ここの肩のところから、すっぱりやって下さんせ、さあ、お斬りなさい
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
イヤ決して心配はない、丁度い薬が有る、先達せんだって美惠比丘尼が負傷けがをする事があろう、其の時に此の膏薬を貼れば悪血あくちが発して眼病が癒るといって、十二枚膏薬を
無事に苦しんでその腕の悪血あくちが取りたさにこの団体に入ったくらいでしたから、人違いなどは大した問題ではなく
魚類の冷たい悪血あくち——そうして葉の捲き方から節根ふしねまでがいちいちひねくれている。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
彼の右の手には、悪血あくちがむずがゆいほどに湧き上って来る。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)