悪戯好いたずらず)” の例文
旧字:惡戲好
私は悪戯好いたずらずきで反抗的な子供であった。教室では傍視わきみをしたり、隣の生徒に相手になったり、楽書らくがきをしたりばかりしていた。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
元より悪戯好いたずらずきな御同輩たちは、半信半疑でいらっしゃりながら、早速御姫様の偽手紙をこしらえて、折からのふじの枝か何かにつけたまま、それを左大弁様の許へ御とどけになりました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし、あんなことを言って見せて悪戯好いたずらずきな若い看護婦が患者相手の徒然つれづれを慰めようとするのだ、とおげんは思い直した。あの犬は誰の部屋へでも構わず入り込んで来るような奴だ。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この小さい神様のコロボックンクルはそんなに体が小さいくせに、大の悪戯好いたずらずきで、無暗むやみに、人間——と言っても今も言った通り、それはアイヌ人のことですが——と競争することが好きで
蕗の下の神様 (新字新仮名) / 宇野浩二(著)