悪太郎あくたろう)” の例文
もっとも、弟の武蔵たけぞうが近郷きっての暴れんぼで、本位田村ほんいでんむらの又八か宮本村の武蔵かと、少年時代から悪太郎あくたろうの手本にされているので
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あ、あの悪太郎あくたろうめが、空気銃くうきじゅうでうったのですね。あまり、あなたがたが、いえちかくへいくから、わるいのですよ。いつか、わたしにも、鉄砲てっぽうけたことがあります。
温泉へ出かけたすずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
またはき魂のかりの姿かもしれぬといって、いかなる悪太郎あくたろうも捕獲をさし控えさせられる。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
遊び好きなる事に於て村の悪太郎あくたろう等に劣るまじい彼は、畑を流るゝ濁水だくすいの音颯々さっさつとして松風の如く心耳しんじ一爽いっそうの快を先ず感じて、しり高々とからげ、下駄ばきでざぶ/\渡って見たりして
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)