恩遇おんぐう)” の例文
小笠原家から転じて浅野家に高禄で抱えられたのも、その槍術の有名を買われたのであった。郡兵衛は、常にその恩遇おんぐうを口にしていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(人間は馴れやすい。どうやらこうしている間に、ここの破格な恩遇おんぐうに馴れそうだ。勿体ない……冥加みょうがに過ぎる……)
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、恋人の家へ、恋人の父に誘われて来たのは、何か大へんな恩遇おんぐうに恵まれたような気がして、動悸どうきを覚えた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まったく朝倉家に仕官してからの幾年かは、他意なく、この恩遇おんぐうと幸運に怠るまいと努めたのだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事実、秀吉は最大なよろこびと恩遇おんぐうをもって、利家にこたえた。利家も、もちろんそれに感激した。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二人はそこでも再び孔家こうけの方へ恩遇おんぐうを謝し、やがて西と東へたもとを別った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「では、先ごろ尊氏へなされた過分な陞進しょうしん恩遇おんぐうもですか」