うれ)” の例文
その室を窺えどもることなし、蠅営狗苟ようえいくこう羊狠狼貪ようこんろうたんはやきこと飃風ひょうふうの如く、烈しきこと猛火のごとし。喬家の子生きて猶お悟らず、死すとも何ぞうれえん。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
忠孝仁愛の心より鰥寡かんくわ孤獨をあはれみ、人の罪に陷るをうれひ給ひしは深けれ共、實地手の屆きたる今の西洋の如く有しにや、書籍の上には見え渡らず、實に文明ぢやと感ずる也。
遺訓 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
蠅営狗苟ようえいくこう羊狠狼貪ようこんろうたんはやきこと飄風ひょうぷうの如く、はげしきこと猛火の如し。喬家きょうか生きてお悟らず、死すとも何ぞうれえん。符氏ふしじょ死してなお貪婬たんいんなり、生ける時知るべし。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)