シリン)” の例文
すぐさま近くの百貨店ボン・マアシェへ出かけて行ってみると畳一枚に近い大きさのが、たった十三シリン——約六円半——だ。
これでけちがついたとみえてあとの三回も負けつづけ、ひと頃は一攫いっかく七十金も領していたのが、あとでしらべてみると、とどのつまり三シリンばかりの損だった。
『わたしどもの言う馬が勝たなかったら、お金はそっくりかえしますよ——金一シリンで、この紙にきょうの勝ち馬がすっかり書いてある。へん、安いもんでさあ。』
六片のものを六シリンはおろか六ポンドにも売りつけるやつがないとは限らない。忘れてはいけない。ここは詐欺と掏摸すりとこそ泥が組織的に横行する権利のある競馬場だからだ。
ただの板を釘づけにしただけの荷造り用の木箱でさえ、約十円の一ポンド——二十シリン——もする。タイムスの弾薬箱にいたっては、蜜柑みかん箱ほどもなくて十シリン——ざっと五円——である。