忍草しのぶ)” の例文
家司けいしなどにも気のきいた者などはなくて、修繕を少しずつ加えるような方法もとらないから、雑草が高く伸び、軒の忍草しのぶが得意に青をひろげていた。
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ずっと陽照りつづきで檐下のきした忍草しのぶまでグッタリと首を垂れている。
顎十郎捕物帳:18 永代経 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
窓さきの忍草しのぶが濡れてあざやかに葉を伸ばしている。
契りきぬ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「オイ。頭山。忍草しのぶが在るぞ。採って行こう」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)