御料簡ごりょうけん)” の例文
しかしそのゝちも、いくさ評定ひょうじょうのたびごとに御いんきょとながまさ公との御料簡ごりょうけんがちごうて、とかくしっくりいかなんだようでござりました。
盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「あれッ! とんだ、また、粗相そそうをいたしまして! どうぞ殿様、どうぞ御料簡ごりょうけんなされてくださりませ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
春彦 由なきことを言い募って、細工のおさまたげをも省みぬ不調法、なにとぞ御料簡ごりょうけんくださりませ。
修禅寺物語 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
弁信さん、あなたはこの世界は暗いものと、最初からきめておいでになりますのに、あの先生は、暗いのがお好きか、明るくしたい御料簡ごりょうけんなのか、わたしにはさっぱりそれがわかりません
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
もしもの事がありますと、あの方もお可哀かわいそうに、もうきてはおられません。あなたを慕って下さるなら、私も御恩がある。そういうあなたが御料簡ごりょうけんなら、私が身をててあげましょう。
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)