御庇護ごひご)” の例文
ついでと申しては、恐れ入りますが、以来、御無沙汰いたしております。常々兄の真雄さねおが又、一方ひとかたならぬ御庇護ごひごに預かっております由で』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三十余年間、臣ポローニヤスのみならず、家族の者まで、御寵愛ごちょうあい御庇護ごひごを得てまいりました。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
長らえ、今日、かくある身は、ひとえに、藩主細川公御庇護ごひごに依るところ。御恩のほど、子孫まで忘れては成り申さぬ
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……折ふし、御発病とあれば、これも天の御庇護ごひご、どうぞ明日の御参列は、お見合わせ遊ばしますように
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『多年、領主の御庇護ごひごによって、安穏あんのん生業たつきを立てて参ったのに、御恩も忘れ、殿の凶事に際して、すぐ損徳を考え、藩札の取付けにけるなどとはにっくい行為だ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
、ようしてもる志……何というてよいやら。これも観世音の御庇護ごひごでがなあろう
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このような成人を見ましたのは、まったく兄正成どののお慈悲と、芸一ト筋に生きて来た賜物でございました。いえ、すべては観世音菩薩の御庇護ごひごであったのでございましょう……」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)